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"世界の野球"セルビア野球の挑戦と葛藤 バルカン・ベースボール事情あれこれ「セルビアってどんな国?」

2017年4月11日

文=辰巳 知行

 ドバルダン!こんにちは。辰巳知行と申します。
 私がセルビア野球に出会ったのは今から約16年前、国際協力の仕事でバルカン半島に赴任していた2000年代初頭のことでした。私の「並」の野球技術も、彼らにとっては「ゴジラ」のように映ったらしく、それ以来、ゴジラとしてプレーし、コーチとして指導しながら、セルビア野球連盟とともに現地における野球の発展と普及に取り組んで参りました。野球かな?というスポーツはだんだんと野球らしくなり、原っぱが徐々に野球のグラウンドへと姿を変え、現在では国際大会に出場するまでになりました。そのあたりの経緯を含め、セルビアにおける野球事情について、連載でお伝えして参ります。


2016年セルビア代表チーム(写真提供:辰巳)

 まずは、セルビアという国について簡単にご紹介させていただきます。皆さんは「セルビア」と聞いて何を思い浮かべられるでしょうか?最近ではテニスのジョコビッチ選手が有名ですが、スポーツがとても盛んな国で、特にバスケットボール、バレーボール、水球などは世界トップクラスの常連国となっています。
 人口は約700万人で、首都はベオグラード。バルカン半島のまん中あたりに位置する内陸国です。かつてはクロアチアやボスニア・ヘルツェゴヴィナ等と旧ユーゴスラビア連邦を構成していましたが、冷戦の崩壊にともない各共和国が独立してゆく中で内戦が発生し、各国とも多くの犠牲者を出す結果となってしまいました。


バルカン半島の内陸に位置するセルビア(出典:グーグルマップ)


ドナウ川とサヴァ川が合流する首都ベオグラード(出典:セルビア観光庁フェイスブックページ)

 セルビアの人たちは明るくオープンな南欧系。民族的には南スラブ系で、言葉はセルビア語が話されています。文字はキリル文字とラテン文字が併用されていて、歴史的に文明の交差路にあったことをうかがわせます。豊かな土壌から生まれるお肉やお野菜の味は濃厚この上なく、塩コショウなどでガブリと食すのが最もおいしい食べ方。バルカン半島は美男美女の産地とよく言われますが、多様な人々が行きかい、おいしいものに恵まれたところだからかも知れません。


セルビアの民族衣装のひとつ(出典:セルビア観光庁フェイスブックページ)

 そのようなセルビアですが、大の親日国であることは日本ではあまり知られておらず、個人的にはとても残念に思っています。「日本」や「日本人」に対する好感度は、国際協力を仕事としている私の知る限りにおいても、世界のトップクラスにあることは疑いの余地がありません。そのような背景もあり、東日本大震災の半年後には、セルビアの人々から日本に寄せられた義援金の規模は、なんと、欧州で最も大きなものとなっていました。人口規模や経済レベルを鑑みると、驚きの事実と言えるでしょう。

 いかがでしょう。セルビアへ行ってみたくなりませんか?修道院等いくつかの世界遺産を巡った後は、同国に一つしかない野球場へもぜひ足を運んでみてください。「ヤパン!(日本)」と大歓迎してくれることでしょう。


セルビアで唯一の野球場

 次回からはいよいよ、セルビアにおける野球の始まりと現在の状況についてお伝えする予定です。どうぞお楽しみに。ドヴィジェニャ(ではまた)。

著者プロフィール
辰巳 知行(たつみ ともゆき)
1968年10月18日生まれ
バルカン地域に勤務していた2000年代、誕生間もないセルビアの野球と出会う。以来、コーチ兼選手として、同国における野球の発展と普及に取り組む。セルビア高校代表チームの日本遠征を企画・実施する等現在も協力を続けており、いつの日か、セルビア代表が侍ジャパンに挑戦できる日が来ることを夢見ている。大阪府立北野高校野球部99期主将。

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