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"世界の野球"ヒマラヤを北に臨む国ネパールの野球 第11回「野球途上国 共通の課題」

2016年4月4日

文・写真=NPO法人ネパール野球ラリグラスの会(小林 洋平)

 去る3月16日、WBSC世界野球ランキングが発表された。1位は昨年に続き日本。以下、アメリカ、台湾、韓国と続く。一方、ネパールはランク入りした中では最下位の70位で、昨年の49位からは21ランクの下落であった。このランキングは過去4年間のWBSC主催または公認大会での成績に基づいて順位が決まる。ネパールは2013年の第11回西アジア野球選手権出場が反映された形となっている。

 ところで、WBSCには、現在141の国と地域が加盟しているが、ランキングでは、その半数がランク外となっている。つまり、半数の国が4年間に渡りWBSCの大会に出場していないことになる。野球が発展途上にある多くの国にとって、国際大会への出場には多くの困難がある。その中でも大きなものが経済的負担である。野球の国際大会では、開催国への渡航費は参加国が負担し、開催国での滞在費(宿泊費、交通費、食費等)は開催国が負担するのが通例である。しかしながら、例えば、ネパールの場合は、渡航費が年収を超えてしまう。国や支援者からの援助が無ければ出場は不可能であるが、国からの援助は無い。このような国は多く、出場したくてもできないのが現状である。一方、開催国の経済的負担も大きい。地域によっては、経済的負担から開催国が決まらず、大会開催が困難となる場合もある。

 また、各国に野球をする環境を整備するのも重要であろう。ネパールでは野球をする環境が整っておらず、グラウンドは凸凹で人や牛も通るので、安心して野球ができる状態ではない。安心して野球ができるグラウンドが整備されれば、選手の技術向上はもちろんのこと、そこが象徴となって野球の認知度が高まると思われる。例えば、スリランカでは、日本からの支援も受け、2012年に南アジア初となる野球場が作られたが、野球場が出来たことにより、関係者のモチベーションは各段に高くなったと聞いている。そして、2013年には、アジア野球連盟の審判講習会も開催され、ネパールを含めた南アジア各国からも参加者を得ている。

 かつて、私自身もネパール代表チームの監督として国際大会(第11回西アジア選手権大会)に参加した。そして、大会に出場した選手たちの感動していた姿は今でも覚えている。経済的に恵まれていない多くの国の選手にも国際大会の舞台を踏んで欲しいとは思うが、約半分の国が大会に参加すらできない現状では、それも難しい。一方、WBSCランキング1位の日本でも若年層の野球離れが進んでおり、深刻な状況である。公園やグラウンドの規制も厳しくなり、気楽に野球ができる場所が少なくなったことも野球人気低下へ拍車をかけている。野球界を盛り上げるために、世界中で考えていかなければならない問題は多い。

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